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私が久しぶりに西東京にある実家を訪ねた時のこと。
父は現在嘱託で勤める会社の研修で4日留守、母と2人でたまに美味しいものでもと思い、訪ねたのでした。
たまに泊まっていこうかななどと思いながら玄関を開けた私の目に飛び込んできたのは、左足に包帯を巻いた母の姿でした。
びっくりしてどうしたのか尋ねる私に母曰く、捻ったとのこと。
その時は父がいたので、病院で見てもらったとのことで一安心。
でも浮かない顔の母。
訳を尋ねてみると、こういうことでした。
父が戻る前日にクリーニング屋からスーツを取ってきたいのだが、この足でバスに乗るのが恐い。
スーツは翌日に父が着る予定なので、行かないわけにはいかないのだと。
私が休みなら行けるのですが、その日は私も仕事がある。
考えた末に、ふと閃いたのが以前お世話になった西東京にある便利屋さん。
庭の大きな柚子の木を切ってもらったのです。
お陰で庭に陽が差すようになりとても助かったのですが、その時頂いた名刺の裏に、確か買い物代行とかあったような記憶が。
早速携帯をポチッとすると、多分あの時来てくれた人の声が。
「大丈夫ですよ、女性を回しましょう」との返事。
「スーパーに入っているクリーニング屋ですね。
買い物があったらそれも引き受けますので、何でも言って下さい」と西東京の便利屋さんの声。
ホッと一安心した私たちでしたが、そう言えば柚子の木を切ってもらった後の、あの木はどうしたんだろう?あの時は父が「使い道は後で考える」と答えていたけど。
「あら、気付かなかった?」と母。
促されて庭をよくよく見ると、小さなベンチが二つ並べてありました。
丸いテーブルもちょこんと置いてあります。
「テーブルと板は買って来たんだけどね」と母。
あのベンチに座りながら、2人でお茶したりするのだろうか、今度は父もいる時に来てみようと思った私でした。